こんにゃくについて
こんにゃくは日本独自の伝統食品です
こんにゃくはインドシナ半島を原産地とするサトイモ科の植物です。
日本には1500年前に仏教とともに精進料理として中国から伝わったといわれております。
日常的にこんにゃくを食べるのは日本人だけで、中国や韓国でもほとんど食べられておらず、日本独自の伝統食品といえます。
現在、日本のこんにゃく芋の栽培は群馬県が90%以上を占め、当社もこんにゃく生産農家でした。
市販されているこんにゃくは、こんにゃくいもの主成分のコンニャクマンナンという植物繊維に水酸化カルシウム(食用石灰)を加え加熱して造られています。
日本人とこんにゃく
江戸時代中期に、現在の茨城県久慈郡の農民、中島藤右衛門がこんにゃく芋を乾燥させて粉末にした「粉こんにゃく」を開発したことによって、長期保存と移送が可能になり、一気に全国的に広まり、庶民の食べ物になりました。
それまでこんにゃく料理は当初は天皇の食膳にも並び、精進料理や大名への贈答品に使用されるなど、庶民は普段なかなか食べられない貴重な食べ物でした。
こんにゃく芋はじゃが芋やサツマイモ等と異なり、傷みやすく日持ちしないため、芋の収穫期にあたる秋から冬にかけて、しかも産地かその近辺でしか食べることができなかったことも要因でした。
松尾芭蕉とこんにゃく
俳聖として知られる松尾芭蕉も、こんにゃく好きだったと言われこんにゃくについての俳句を数点残しております。
『こんにゃくの さしみもすこし 梅の花』
(仏前には、こんにゃくの刺身が少し供えられている。寺の庭には梅の花が咲いて春はもう近い)
黒こんにゃくと白こんにゃく
こんにゃくには黒こんにゃくと白こんにゃくがあります。
黒はヒジキ等の海藻を使って黒くしています。
今でも、昔からこんにゃく生産が盛んだった地域では黒こんにゃくが、あまり生産されていなかった地域では白いこんにゃくが主流です。
山本農場のある群馬県では、黒いこんにゃくが多く食べられています。
幕末になると「蒟蒻百珍」というこんにゃく専門のレシピ本が発行されるほど一般的な食材になりました。
健康食としてのこんにゃく
こんにゃくは植物繊維が豊富な食品と知られ、胃腸の調子を整え便秘の解消にも効果があるといわれる、とても低カロリーな食品です。
ダイエット効果が期待できるこんにゃくゼリ-の大ヒットや、こんにゃくを糸状にした「しらたき」がパスタとして人気が高まるにつれ、海外においてもナチュラルなダイエット食品として知られるようになってきました。
こんにゃくの産地である茨城県の一部地域では、「凍み豆腐」と同じ製法で厳冬期にこんにゃくを凍らせ「凍みこんにゃく」と呼び保存食として食用に充てていました。
ナチュラルスキンケア素材としてのこんにゃく
そして今注目されているのがスキンケア用品としてのこんにゃくです。
日本人に長い間親しまれてきたこんにゃくは、他に例がない強力な保水性と保湿力、安定した粘性を持ちます。
しかも無色無臭の植物性繊維です。
それはスキンケアには欠かせない要素と機能を持ち、幅広い展開を可能にします。
産地の一部では、120年も前から凍らせて繊維状にしたこんにゃくを「こんにゃくタワシ」と呼び赤ちゃんの体を洗うときに使用していました。
柔らかい感触と石鹸なしでも汚れを落という働きが当時から評価されていた証です。
ただし、ほんの一部の地域や自家消費的な製品でしたので、忘れられていた製品でもありました。
日本発こんにゃくの新市場開拓
当社は、1990年に「こんにゃくスポンジ」に大きな市場の可能性を信じ、年間通して安定した品質の製造が可能な方法を開発し販売を開始しました。
おかげ様で、口コミで徐々に愛用者が増え「安心して使えて、ツルツルしたしっとり肌になる」と大変好評をいただいており、自然素材の洗顔用品として知られるようになりました。
海外の需要も大きく成長しつつあり、アメリカ、フランスを中心に「こんにゃくスポンジ」の愛用者が増えており、こんにゃくの持つスキンケアとしての特性が世界でも認められつつあるといえます。
当社はその市場の開拓者の先鞭でありたいと願っています。